タグ別アーカイブ: どんでん返し

3匹のモンスターの使い方

モンスターの使い方

さて、それではいよいよ、3匹のモンスターの使い方をお教えしよう! なお、モンスターを使うのは「【敵】に仕掛けるどんでん返し」じゃ。

αとβに、3匹のモンスターを当てはめる。

基本型は「敵はαだと思っていたらβだった」

まず、このαとβに、3匹のモンスターを代入してみるのじゃ。すると3×3で9通りの組み合わせが出来る。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
2「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
3「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
4「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
6「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
7「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
8「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

しかし、よく見ると[αとβのモンスターが同じ]というタイプがあるな。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

この3つじゃ。実はこれはまとめて2つのタイプに集約される。
その理由は後述するが、これを「α=β型」の1、2と呼ぶことにする。

整理すると、
「敵」に仕掛けるどんでん返しのタイプは
(1)「α=β型の1」
(2)「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(3)「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(4)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
(5)「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
(6)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
(7)「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
(8)「α=β型の2」

以上のようになるのじゃ。

 

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3匹のモンスターその3:フランケン

フランケンシュタインとは?

ブンコ
「ドラキュラ、狼男。そこまではいい。でも、フランケンの意味がわかんない」

ぴこ蔵
「良心の恐怖フランケンシュタインというのは、実は、怪物を作った博士の名前なのじゃ。モンスター自体には名前はない。これ豆知識」

ブンコ
「良心の恐怖ってどーゆーことよ?」

ぴこ蔵
「ポイントは主人公が”悪の意志をもって”生み出した怪物というところにある。つまり、因果応報の象徴なわけじゃよ」

ブンコ
「主人公が過去に犯してしまった悪事が良心を責めるわけね」

ぴこ蔵
「わかってやっておるだけに悪質じゃ」

ブンコ
「なんだかつらいモンスターねえ。」

ぴこ蔵
「テーマは復讐、あるいは贖罪。なかなか気分スッキリとはいかん物語になるぞ!」

★主人公が生み出した恐怖(フランケン)

科学者フランケンシュタインが、生命倫理を無視して、自分の研究成果を追求したあげく、死人のボディパーツから作り出した名無しのモンスター。ポイントは主人公が「悪の意志をもって」生み出した怪物だということ。自分の犯してしまった過去の過ちへの怯えが呼び起こす恐怖です。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公が生み落とした存在です。主人公の過去そのものと言ってもいいでしょう。わかりやすく言えば、自分が殺した人間の幽霊みたいなものです。もしくは、主人公と本当の敵は一種の親子関係にあるわけです。

ただし、「意識的に犯した悪事」でなければなりません。自分がはっきりと悪事を行ったことを認識していなければフランケンシュタインとはなり得ません。

役割:
主人公が過去に悪事を働いた場合、フランケンシュタインの目的はおおむね「復讐」です。
恨めしや~、なのです。怪談物には多い設定です。

「ドラキュラ」は完全に相手が悪いのです。「狼男」型は自分が悪いのですが、精神的には他人です。まだ自分が悪いという意識がないだけ気楽です。

ところが「フランケン」型は、完全に自分が悪いのです。悪いと承知で犯した悪事が原因で復讐されるのですから、自分で責任をとるしかありません。

しかも、主人公は過去からは「逃げられない」のです。それが因縁というものでしょう。そんな「フランケンシュタインの怪物」はホラーには最高のキャラクターだと言えます。

 

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3匹のモンスターその2:狼男

狼男とは?

ブンコ
「狼男は『内側に潜む恐怖』だよねー。でも、誰の内側?」

ぴこ蔵
「主人公(エピソードの主役)の内側じゃ。多重人格や催眠、憑依霊、宇宙人のテレパシー、そして、主人公が組織の場合は『裏切り者』ということもある」

ブンコ
「主人公と肉体を共有するくせに人格は別で、主人公が知らない間に主人公の体を使って悪いことをするんだよねー」

ぴこ蔵
「はたから見れば『変身』するわけじゃ。満月を見ると狼にな」

★内部に潜む恐怖(狼男)
※主人公の中に潜んでいて、主人公のコントロールが及ばない。

普段は善良な人間の内側におとなしく隠れていますが、満月になると体中に剛毛を生やした残虐なモンスターに変身します。主人公の内部にいて、しかも主人公の意志では制御不能なこの怪物は人間が自分自身に対して抱く恐怖を実体化したものだと言えます。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公自身です。主人公と肉体を共有する存在と言ってもいいでしょう。精神的には全く別人格です。自分勝手な動機に従って行動し、主人公の生活はそのカムフラージュに過ぎません。ただし、主人公はそのことを知りません。

●サイコ、その他の精神的な錯乱状態。
●寄生虫、憑依、などの他人格による乗っ取り。
●催眠術、薬物等による他者からのコントロール。

つまり、「自分の中のもうひとりの人格」です。

これを『組織』にあてはめると、さらに広がります。主人公がある組織で、その組織を代表する登場人物が「本当の敵」の場合です。

●組織の中の裏切り者による詐欺行為。

ということになります。犯人の意外性を追及したい方にはオススメのキャラクタ―ですねえ。

この「組織の中の狼男」という設定を使った作品には『シャドー81』という不滅の名作があります。どんでん返しのところで私は本を取り落としました。

役割:
本当の敵が主人公だった場合、最後に自殺することがよくあります。「敵を倒す」ために主人公が自分の肉体を滅ぼすのです。このタイプはそういう悲劇性を含んでいます。

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3匹のモンスターその1:ドラキュラ

3匹のモンスターの恐怖

ぴこ蔵
「1匹1匹のモンスターはあまり大したことはない。ただ、これが組み合わさると凄い効果を生み出すのじゃ」

ブンコ
「それにしてもさー、なんであの3匹なの? ゴジラやガメラじゃどーしていけないの?」

ぴこ蔵
「ドラキュラ、狼男、フランケン。もっと簡単に言えば、外の恐怖、内の恐怖、因果の恐怖。これこそが人間の最も基本的な恐怖だからなのじゃ」

ドラキュラとは?

ブンコ
「主人公の外部にある恐怖っていうのはなんとなく分かるよ。例えば、道を歩いていて通り魔に襲われたり、空き巣に入られたり、振り込め詐欺の電話がかかってきたりとか、誰か赤の他人から与えられる暴力への恐怖だよねー」

ぴこ蔵
「それがドラキュラじゃ。おぬしは全然悪くないのに、奴は勝手に襲いかかってくる。その行動原理はまさにハンティングである。ドラキュラは生きていくために人間を捕食する狩人であり、いわば『天敵』なのじゃ」

★外部に存在する恐怖(ドラキュラ)
※主人公の意志とは全く関係なく世の中に存在している。

怪物の中の怪物、人間の天敵・吸血鬼ドラキュラ。不死身にして増殖も可能なこのモンスターに象徴されるのは、主人公の外部に存在していて悪魔の哲学を持ち、人間を堕落させる、絶対的な悪の姿です。まさに憎まれ役としては最強だといえます。

類型:
このタイプの敵にとっては、悪事の標的が絶対に主人公でなければならないというわけではありません。敵にはまず自分勝手な動機が存在し、たまたまそれに適合する相手が主人公だったに過ぎません。一般的な敵は大部分がこれに含まれます。

世界征服を企む悪の組織や、学園を支配する恐怖の抑圧者、勝手に主人公の財産を狙う悪党や泥棒、ストーカー、通り魔、ビジネスやスポーツ、恋愛や勢力争いにおけるライバルなど。

台風などの災害もこれに含まれます。地震、雷、火事、そして究極の頑固オヤジ、星一徹なんかもこれになります。

役割:
主に「倒すための敵」としての役割が与えられます。倒すにしても倒されるにしても、このタイプの敵を相手にする場合、あまりドロドロした話にはなりません。勝てばスカッとします。

巨大な悪や災害などに立ち向かう主人公の物語を作りたいときはこのドラキュラタイプの敵を作るといいでしょう。

例えばドラクエの大ボスです。こいつを倒すことが物語の目的です。悪いのは絶対的に相手なのですから、主人公は勇気をひねりだすくらいで、特にリスクを負わずに戦うことが出来ます。

したがって、逆に、キャラやトリックの面白さで工夫しないと底の浅いB級活劇になってしまうので注意しましょう。

どんでん返しにおけるドラキュラタイプ

最初から悪として登場し、最後まで悪として倒れていく。そんなドラキュラタイプほどどんでん返しが仕掛けにくい敵はありません。単純すぎてすぐに慣れてしまい、怖くないんです。

そこでよく使われるのが、隠れているもう一人のドラキュラ。最初のドラキュラの影に潜み、もっと残虐非道で狡知に長けています。最初のドラキュラを操っている場合もしばしば。

この隠れている「本当の敵」は、主人公の仲間であったり、善良な被害者の顔をしていることが多いのです。もちろんあなたがこのタイプを選ぶ場合にもその手を使いましょう。なぜなら、そのほうが読者が驚くから。

また、最初から最後まで同じドラキュラで通す場合にはどんでん返しとして「一度死んだと思わせる」トリックを使います。

主人公が苦労してやっとのことで敵を倒します。とどめの一撃! これで死んだと思ったら…敵がカッと目を見開く、あの衝撃です。

この「とどめの一撃」に説得力があればあるほど、敵の復活がショッキングになります。そのために、早いうちから伏線を敷くのです。読者や観客がこのとどめの一撃の威力を信じ込むように。

 


無料創作講座「基礎講座」と「どんでん返し編」を電子書籍にしたものです。読みやすい縦書きです

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どんでん返しを連れてくる3匹のモンスター!

ぴこ蔵
「おぬしの物語で主人公の敵となるのは何であろうか? それは簡単に言えば「悪」の象徴なのじゃ。「悪」とは人間が戦って克服するべき対象である。また、人間にとって意義のある戦いとは「恐怖」への抵抗であり、「恐怖心」のない戦いは葛藤を生まず、ドラマとは言えぬ。したがって、ストーリーに登場する「悪」とは、主人公が戦うべき「恐怖のタイプ」と言っても過言ではないのじゃ。

「ホラーの帝王」スティーヴン・キングは、著書『死の舞踏』の中で、古今東西の物語に繰り返し現れる根源的な恐怖のタイプを3種類に分類しこう定義づけておる。

A 主人公の外部からやって来た存在
B 主人公の内部に巣食う制御不能な存在
C 主人公が行った悪事が生み出した存在

そしてキングはこの3種類を 有名な3匹のモンスターになぞらえたのじゃ。

1 主人公の外部からやって来た存在→→→ドラキュラ
2 主人公の内部に巣食う制御不能な存在→→→ジキルとハイド
3 主人公が行った悪事が生み出した存在→→→フランケンシュタインの怪物

しかし、日本人なら、この3匹を例えるならこちらのほうがしっくりくる、というキャラがおるのじゃ。そうなのじゃ。藤子不二雄「怪物くん」のお供の3匹なのじゃ。映画「ヴァン・ヘルシング」でもお馴染みじゃな。

1 主人公の外部からやって来た存在→→→ドラキュラ
2 主人公の内部に巣食う制御不能な無意識の存在→→→狼男
3 主人公が行った悪事が生み出した存在→→→フランケンシュタインの怪物

抽象的になりがちな恐怖の概念じゃがこうやってモンスターに例えておくと、すぐに思い出せて便利なのじゃ」

ブンコ
「じゃあ、もう一度確認ね」

ドラキュラ:主人公の意志とは全く関係なく世の中に存在している。
狼男:主人公の中に潜んでいて、主人公のコントロールが効かない。
フランケン:主人公が意識的に犯した悪事が原因で生まれてきた。

ぴこ蔵
「たった3種類じゃが、世界3大モンスターをなめてはいかん。全ての恐怖はこのどれかにあてはまるのじゃ! ではこの3つの悪をもう少し詳細に見ていこう」

 

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