タグ別アーカイブ: 3匹のモンスター

どんでん返しの原型10タイプ

(1)敵の正体はこいつだ、と思っていたら、実は、同じような立場のあいつだった!

(2)敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。
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モンスターがダブる場合

★「α=β型」について
α=βとは、下記のような場合をさすのじゃ。

●「ドラキュラ」だと思っていたら「ドラキュラ」だった。
●「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。
●「フランケン」だと思っていたら「フランケン」だった。

αとβが同じモンスターであるとは、どういうことか? 例を挙げてみよう。

★「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。

これをモンスターの「名前」から「特性」に置き換えてみると

☆「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

ということになる。読者の視線になって考えてみよう。

例えば

※「主人公の中の多重人格」が敵だと思っていたら本当の敵は「主人公の中のもう1つの多重人格」だった。

という「敵の正体」が明らかになったとする。しかし、これは印象的には……

※町内連続放火犯の正体は「自分の長男」だと思ったら、実は「自分の次男」だった。

……というのと変わらないではないか! 「外にいる」と思っていたのに「内側にいた」からショックがあるのである。もともと内側にいると思っていたモノが、たとえ別の存在であったとしてもやはり内側にいるのならば、あまり意外性がないのじゃ。

この「どんでん返しタイプ分けの術」の面白さは、『自分と他者というボーダーライン』を乗り越える時の哲学的な衝撃・恐怖を作り出すところにあるのじゃ。人間にとって最大の恐怖は『自我の崩壊』じゃからな。真夜中のトイレのドアを開けた時、そこに誰がいるのが一番怖いか? それは『自分』なのじゃ。うひゃ~っ!

しかし、この3つのタイプは、その手のショックとは無関係じゃ。最初から「杉花粉」のせいでアレルギーになったと思っていて、途中で「実はブタクサ花粉のせいだった」と言われたところで、あんまり意外性はないものじゃ。

花粉症には違いないのじゃからな。

人間というのは、同じ種類の衝撃にはすぐに慣れてしまうもんじゃ。従って、このタイプの場合、あの手この手のだましがどうしても必要になる。

まさか、と思われる人物を犯人にしてみたり、強固なアリバイを持たせてみたり。いわゆるトリックじゃな。

そんなわけでわしは、このトリックが必要な3タイプを同一のジャンルとみなすわけじゃ。

ところが、同一ジャンルといえども2タイプに分かれるのじゃ。それは…

◆αとβが別の人物の場合
◆αとβが同じ人物の場合

特に、後者の「αとβが同じ」場合というのはつまり、「犯人の正体が最初からわかっていて最後まで変わらない」ということじゃ。サスペンスと言うジャンルではこのように最初から敵の正体が公開されておる。

そんな不動の敵を使って、読者にあっと言わせるどんでん返しを仕掛けるためには……

「一度死んだと思わせておいて、実は生きていた」という【目的】のどんでん返しで紹介した
『花咲かじいさん』と同じ仕掛けが必要になる。

「α=β型」とは何か? 結論としてはこうなるのじゃ↓

「α=βの1型」
●敵の正体はこいつだ、と思ったら、同じような立場のあいつだった!

「α=βの2型」
●敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

これに【目的】のどんでん返し2タイプを足したものが基本の10タイプなのじゃ!!

 

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「敵のどんでん返し」8つの型

モンスターの「名前」を「特性」に置き換える

次に、モンスターの「名前」の代わりにその「特性」を代入してみるとどんでん返しの各タイプの特徴がはっきりするのじゃ。

【αβの組み合わせ8パターン】

(1)「α=β型の1」

(2)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(4)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(5)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(6)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(7)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(8)「α=β型の2」




桃太郎にどんでん返しを入れるとどうなるだろう? 誰も見たことのない、面白すぎるストーリー創作法

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3匹のモンスターの使い方

モンスターの使い方

さて、それではいよいよ、3匹のモンスターの使い方をお教えしよう! なお、モンスターを使うのは「【敵】に仕掛けるどんでん返し」じゃ。

αとβに、3匹のモンスターを当てはめる。

基本型は「敵はαだと思っていたらβだった」

まず、このαとβに、3匹のモンスターを代入してみるのじゃ。すると3×3で9通りの組み合わせが出来る。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
2「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
3「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
4「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
6「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
7「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
8「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

しかし、よく見ると[αとβのモンスターが同じ]というタイプがあるな。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

この3つじゃ。実はこれはまとめて2つのタイプに集約される。
その理由は後述するが、これを「α=β型」の1、2と呼ぶことにする。

整理すると、
「敵」に仕掛けるどんでん返しのタイプは
(1)「α=β型の1」
(2)「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(3)「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(4)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
(5)「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
(6)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
(7)「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
(8)「α=β型の2」

以上のようになるのじゃ。

 

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3匹のモンスターその3:フランケン

フランケンシュタインとは?

ブンコ
「ドラキュラ、狼男。そこまではいい。でも、フランケンの意味がわかんない」

ぴこ蔵
「良心の恐怖フランケンシュタインというのは、実は、怪物を作った博士の名前なのじゃ。モンスター自体には名前はない。これ豆知識」

ブンコ
「良心の恐怖ってどーゆーことよ?」

ぴこ蔵
「ポイントは主人公が”悪の意志をもって”生み出した怪物というところにある。つまり、因果応報の象徴なわけじゃよ」

ブンコ
「主人公が過去に犯してしまった悪事が良心を責めるわけね」

ぴこ蔵
「わかってやっておるだけに悪質じゃ」

ブンコ
「なんだかつらいモンスターねえ。」

ぴこ蔵
「テーマは復讐、あるいは贖罪。なかなか気分スッキリとはいかん物語になるぞ!」

★主人公が生み出した恐怖(フランケン)

科学者フランケンシュタインが、生命倫理を無視して、自分の研究成果を追求したあげく、死人のボディパーツから作り出した名無しのモンスター。ポイントは主人公が「悪の意志をもって」生み出した怪物だということ。自分の犯してしまった過去の過ちへの怯えが呼び起こす恐怖です。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公が生み落とした存在です。主人公の過去そのものと言ってもいいでしょう。わかりやすく言えば、自分が殺した人間の幽霊みたいなものです。もしくは、主人公と本当の敵は一種の親子関係にあるわけです。

ただし、「意識的に犯した悪事」でなければなりません。自分がはっきりと悪事を行ったことを認識していなければフランケンシュタインとはなり得ません。

役割:
主人公が過去に悪事を働いた場合、フランケンシュタインの目的はおおむね「復讐」です。
恨めしや~、なのです。怪談物には多い設定です。

「ドラキュラ」は完全に相手が悪いのです。「狼男」型は自分が悪いのですが、精神的には他人です。まだ自分が悪いという意識がないだけ気楽です。

ところが「フランケン」型は、完全に自分が悪いのです。悪いと承知で犯した悪事が原因で復讐されるのですから、自分で責任をとるしかありません。

しかも、主人公は過去からは「逃げられない」のです。それが因縁というものでしょう。そんな「フランケンシュタインの怪物」はホラーには最高のキャラクターだと言えます。

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