アイデアをストーリーにできない

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ストーリーが器の上に積み上げられた「月見だんご」だとしたら、キャラや世界観などのアイディアは「バラバラのだんご」です。お客さんに出すためにはだんごに串を通して1本にまとめる必要があります。

アイディアをストーリーにできないとしたら、それは串に相当するプロットがないからです。

では、ストーリーとプロットとの違いは何でしょうか?

雰囲気やイメージ、キャラクターの個性など、物語世界を構成する全ての要素を含んだものがストーリーです。

ストーリーでは、時間軸に沿ってその出来事が起こった「前後関係」が示されます。出来事同士の関係性よりも、どちらが先でどちらが後かという時系列上の順番が重視されます。

プロットはそんなストーリーの中心的なエピソードにおける「因果関係」だけを抽出したものです。

実例として、日本が誇るお宝マンガ『ドラえもん』から「ネンドロイド」という作品のプロットを見てみましょう。(出典:藤子・F・不二雄/小学館 てんとう虫コミックス「ドラえもん 第35巻」)

▼ぐうたらなのび太はお手伝いや宿題をしたくない
▼だから、自分の身代わりに変身して動いてくれる粘土製ロボット「ネンドロイド」をドラえもんから借りる
▼だから、ネンドロイドでいろんな人の身代わりを作って自分の用事をやらせる
▼だから、暇になったのび太は誰かと遊びたくなる
▼だから、ネンドロイドでしずかちゃんの身代わりを作る
▼だから、入浴大好きしずかちゃんのネンドロイドは、さっそくお風呂に入って溶けてしまう

こうして原因と結果が「だから」でつながっていくのが因果関係です。一つの出来事が次の出来事の原因となります。ある出来事は前の出来事の結果だということもできます。

物語を進行する時は、このような因果関係によってつながっていくストーリーラインが軸になります。出来事が次々に連動することで生まれる変化こそが物語の本質なのです。

この時に大事なのは、話を分かりやすく単純化し、物語を進行させる大筋だけを抜き出す意識です。

こうしてプロットにしておけばストーリーの全体像をすぐに思い浮かべることが出来ます。大きな修正や加工を加える際にハンドリングしやすいわけですね。

ところが、逆に言えば、プロットは読んでもそれほど面白いものではありません。事実関係だけを淡々と述べている無骨な設計図だからです。

作品の面白さや華やかさを担当しているのはストーリーの部分なのです。その大半は進行している事件とは直接関わりのない部分です。

例えばキャラクターの強い個性であったり、人間らしい悩みであったり、美しいイメージやそれに伴う繊細な感覚だったりするわけです。

例えば「ネンドロイド」は使用者の髪の毛を突き刺すことでその個性をコピーできる道具です。そこでのび太は、優等生の出来杉くんの髪の毛を使って作ったネンドロイドに自分の宿題を、力持ちのジャイアンのネンドロイドにはお母さんの肩たたきを代行させます。

これらのエピソードは、ネンドロイドの特徴を説明するための具体的な事例です。この作品の魅力はまさにここにあります。

読者が思わず「ぼくだったらネンドロイドはこう使うな」と考えてしまうこの部分こそがストーリーのコアだと言えるでしょう。

しかし、プロットにその情報は必要ありません。話をオチに誘導するための因果作りには直接関係ないからです。

プロットはストーリーの一部分であり、キャラや世界観などのさまざまな要素をつなぎ合わせるための串です。そして、要約すればほんの数行で収まるものです。

ただし、これが固まっていないとストーリーが終わらない、非常に重要なパートです。プロットがなければ物語としての形をなさないわけです。

しかも、編集者に説明したり、梗概を書いたりする時にはプロットを中心に「超短編小説風」にまとめなければなりません。(三幕構成に従って書いたものをトリートメントと呼びます)他人に一つの筋の通った話として認識してもらうためには絶対に欠かせないものなのです。

あらすじドットコムでは、この「人に見せて説明することが出来るレベルのプロット」をあらすじと呼んでいます。

実際にアイディアを作品化する段階になったら、まずはこのあらすじを完成させましょう。

出来れば、簡単なセリフや描写を入れてトリートメントの段階にしておくことで、物語全体のトーン(調子)や雰囲気がさらに伝わりやすくなります。

 

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