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補足:「あるない型」のどんでん返しについて

どんでん返しには二つの流派がある

どんでん返しには大きく分けて二つの流れがあります。

一つは「α(A)だと思っていたら、実はβ(B)だった」というタイプ。

もう一つは「あると思っていたら、実はなかった」(あるいはその逆)というタイプです。

前者を「AB型」、後者を「あるない型」と呼んでもいいでしょう。
※αβ(アルファーベータ)型は呼びづらいのでAB(エービー)型にします。

どんでん返し「二つの流派」から4つの基本形ができる

こうして「目的のどんでん返し」と「敵のどんでん返し」のそれぞれを『AB型』と『あるない型』の2タイプに分類することによって、2×2=4つのどんでん返しの基本形が明らかになります。

つまり……

「どんでん返し」の大きな流派は、
【敵】・【目的】×[AB型]・[あるない型]の4つのパターンに分類されます。

(1) 「敵の正体が明らかになる」
(2) 「死んだはずの敵が甦る」
(3) 「失われたはずの力が復活する」
(4) 「探しものは自分のそば(内部)にあった」

どんでん返し基本形4パターンの解説

まず、「敵のどんでん返し」における『AB型』に相当するのが(1)「敵の正体が明らかになる」 というパターンですね。

このパターンは「敵」の種類によってさまざまなバリエーションを持っており、なんと最少でも7タイプのどんでん返しを生み出します。まさにどんでん返しのマザータイプと言ってもいいでしょう。

次に、「敵のどんでん返し」における『あるない型』に当たるのが(2)「死んだはずの敵が甦る」 というやつです。

10タイプのどんでん返しパターンで言うところの<TYPE08>です。

<TYPE08>(ドラドラ2)
★敵は死んだと思っていたら、実は生きていた★

ぴこ蔵がどんでん返しについて深く考えるきっかけになったトマス・ハリスの名作、『レッド・ドラゴン』で使われているパターンであることから、ドラドラ2ではなく「レッドラ」という呼び方をすることもあります。

この型を使う際の注意点は「死者をも甦らせる強い説得力」に尽きます。ゾンビは別ジャンルですからダメですよ(笑)あくまでも合理的な理由でなければなりません。うまいトリックや緻密な設定を必要とされる、なかなか難しいどんでん返しです。

また、これには裏パターンとして、「生きているはずの敵がすでに死んでいた」というものもあります。この場合は『ないある型』ということになりますが、だましのコンセプトは『あるない型』と同じなのでひとくくりにしておきます。

そして、「目的のどんでん返し」における『あるない型』が(3)「失われたはずの力が復活する」パターン。こちらも敵どんでんと同じく、やはり「復活」のための理由に強い説得力が要求されます。オカルトやファンタジーなら必ずしも科学的である必要はありませんが、逆にそれだけ読者の納得感を支える論理構築力が求められます。

さらに、「目的のどんでん返し」における『AB型』、それが(4)「探しものは自分のそば(内部)にあった」です。これもまた、宝探しからラブストーリーまで、実に多くのドラマを生む永遠のどんでんパターンだと言えるでしょう。

以上4つの基本形をさらに細分化していくと全10タイプになるわけです。




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物語の濃縮エキス「仮筋」

仮筋

面白いストーリーを素早く効率的に作るためには どんでん返しを組み込んだ「あらすじ」の原型が必要です。 今後、ご自分でいろいろ研究して、自分だけの必殺パターンを 作り上げることをおすすめいたします。例えばその一つが、これから紹介する「 仮筋 」です。

「仮筋」は、秘伝と奥義をたっぷり詰め込んだ、物語の濃縮エキスです。タイプごとに異なる「どんでん返し」をきっちり成立させるためにはどのタイプならどの段階でどんな伏線を張っておくべきか? 事件はどんな順番で起こらねばならないか? そんな、ストーリーの「定石」を誰にでもわかりやすい形式にして組み立ててあります。

「仮筋」こそは「型」です。秘伝中の秘伝です。どんでん返しを無理やり物語に挿入するのではなく、物語をどんでん返しから自然に作り上げる黄金の型なのです。この仮筋を元にあらすじを作ってみてください。

娯楽作品として読者を楽しませるために不可欠なポイントが示されますので、「面白い物語」の創り方を効率よく身につけることが出来ます。

どんでん返しTYPE01の仮筋と実例

<TYPE01>(ドラドラ1、ウルウル1、フラフラ1)

★敵だと思って追い詰めたら、実は別にいた★

◆仮筋◆

主人公は、他には替えがたい「大切なもの」を持っている。
主人公のまわりから「大切なもの」が失われる大事件が起こる。
「大切なもの」を奪った敵を探し出す必要がある。
「大切なもの」を取り戻すために主人公は立ち上がる。
急がなければ、タイムリミットがやってくる!
主人公は「偽敵」を敵だと思い込んで追い詰める。
さまざまな障害が主人公の行く手を阻む。
ところが、追い詰めた「偽敵」は敵ではなかったのだ!
そして、「本敵」が姿を現わす。
「本敵」は強烈な欲求に突き動かされていた。
タイムリミットは容赦なく迫り、危地に陥る主人公。
主人公は危地から脱出し、ついに「本敵」と対決する。
そして、意外な結末を迎える。

▲構造上の特徴▼

読者をだますための囮である「偽敵」と、本当の敵である「本敵」が同じタイプである場合、「えっ? 本当に悪いのは主人公だったの?」みたいな、主人公のアイデンティティーに関わる深甚な衝撃はなかなか仕掛け難いものである。

そこで、「敵の意外な正体」を設定するという方法をとる。まるでノーマークだった人物が、最後の最後に、主役に踊り出るのである。これが「正体探し」の王道であり、最も多用されるノーマルなプランなのじゃ。

これには「こいつの存在を忘れていた」という「盲点」を突く技と、「こいつは絶対に敵ではないはずである」という「誤解(錯覚)」を招く技がある。

ベタな例だが、前者(盲点)は「貴族のパーティーが行われている会場にいる小間使い」のように
ついその存在を員数外に置きがちな人物を設定するパターンである。

後者(誤解)の代表格は「連続殺人事件で3人殺されたうちの2番目の被害者が殺人犯」みたいに
「一見、論理的にありえない」と思われるパターン。

この手のトリックは出尽くしたと言われるが、要はいかに「型」をドラマティックに使うかであり、また逆に、よく知られた定石を使うと見せかけて裏をかくという手もあるのである。

いずれにせよ、「型」や「定石」を知らなければ話にならないので、この手のトリックを仕掛けたいのならクリスティーでも読んで基礎を学ぶことを勧める。応用として「目的のものを隠す場所」にもこの技は有効である。「木は森の中に隠せ」というやつである。

▲解説▼

【TYPE01】のどんでん返しは”犯人当て”のためのものです。「ミステリー」と呼ばれるジャンルで多用されるパターンです。「意外な敵」が登場する物語を作りたい時に使ってください。もちろんミステリーだけで使われるわけではありません。

例えば…時代小説の名手・藤沢周平。『隠し剣孤影抄』(文春文庫)に収録されている「暗殺剣虎ノ眼」という短編などでこのどんでん返しが見られます。

詐欺師を題材にした傑作映画「スティング」で『主人公を追う殺し屋の正体』に仕掛けられたどんでん返しもこのタイプでした。成功のポイントは盲点を突くことです。

さて、それでは、あらすじの作り方の手順とともにぴこ蔵の実例作品を見ていただきましょう。どうやって話をふくらましていくかを見てください。

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どんでん返しの原型10タイプ

(1)敵の正体はこいつだ、と思っていたら、実は、同じような立場のあいつだった!

(2)敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。
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モンスターがダブる場合

★「α=β型」について
α=βとは、下記のような場合をさすのじゃ。

●「ドラキュラ」だと思っていたら「ドラキュラ」だった。
●「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。
●「フランケン」だと思っていたら「フランケン」だった。

αとβが同じモンスターであるとは、どういうことか? 例を挙げてみよう。

★「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。

これをモンスターの「名前」から「特性」に置き換えてみると

☆「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

ということになる。読者の視線になって考えてみよう。

例えば

※「主人公の中の多重人格」が敵だと思っていたら本当の敵は「主人公の中のもう1つの多重人格」だった。

という「敵の正体」が明らかになったとする。しかし、これは印象的には……

※町内連続放火犯の正体は「自分の長男」だと思ったら、実は「自分の次男」だった。

……というのと変わらないではないか! 「外にいる」と思っていたのに「内側にいた」からショックがあるのである。もともと内側にいると思っていたモノが、たとえ別の存在であったとしてもやはり内側にいるのならば、あまり意外性がないのじゃ。

この「どんでん返しタイプ分けの術」の面白さは、『自分と他者というボーダーライン』を乗り越える時の哲学的な衝撃・恐怖を作り出すところにあるのじゃ。人間にとって最大の恐怖は『自我の崩壊』じゃからな。真夜中のトイレのドアを開けた時、そこに誰がいるのが一番怖いか? それは『自分』なのじゃ。うひゃ~っ!

しかし、この3つのタイプは、その手のショックとは無関係じゃ。最初から「杉花粉」のせいでアレルギーになったと思っていて、途中で「実はブタクサ花粉のせいだった」と言われたところで、あんまり意外性はないものじゃ。

花粉症には違いないのじゃからな。

人間というのは、同じ種類の衝撃にはすぐに慣れてしまうもんじゃ。従って、このタイプの場合、あの手この手のだましがどうしても必要になる。

まさか、と思われる人物を犯人にしてみたり、強固なアリバイを持たせてみたり。いわゆるトリックじゃな。




そんなわけでわしは、このトリックが必要な3タイプを同一のジャンルとみなすわけじゃ。

ところが、同一ジャンルといえども2タイプに分かれるのじゃ。それは…

◆αとβが別の人物の場合
◆αとβが同じ人物の場合

特に、後者の「αとβが同じ」場合というのはつまり、「犯人の正体が最初からわかっていて最後まで変わらない」ということじゃ。サスペンスと言うジャンルではこのように最初から敵の正体が公開されておる。

そんな不動の敵を使って、読者にあっと言わせるどんでん返しを仕掛けるためには……

「一度死んだと思わせておいて、実は生きていた」という【目的】のどんでん返しで紹介した
『花咲かじいさん』と同じ仕掛けが必要になる。

「α=β型」とは何か? 結論としてはこうなるのじゃ↓

「α=βの1型」
●敵の正体はこいつだ、と思ったら、同じような立場のあいつだった!

「α=βの2型」
●敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

これに【目的】のどんでん返し2タイプを足したものが基本の10タイプなのじゃ!!

 

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「敵のどんでん返し」8つの型

モンスターの「名前」を「特性」に置き換える

次に、モンスターの「名前」の代わりにその「特性」を代入してみるとどんでん返しの各タイプの特徴がはっきりするのじゃ。

【αβの組み合わせ8パターン】

(1)「α=β型の1」

(2)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(4)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(5)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(6)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(7)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(8)「α=β型の2」




桃太郎にどんでん返しを入れるとどうなるだろう? 誰も見たことのない、面白すぎるストーリー創作法

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