花咲かじいさんのどんでん返し

どんでん返しはどこにある?

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ぴこ蔵
「さあどうじゃ! 『花咲か爺さん』のどんでん返しはどこにある?」

ブンコ
「な、な、な、なに~っ?! どこにあるう?! う~ん、そうだなー…。正直じいさんが大判小判をもらって極悪じいさんが死刑になっちゃうところ?」

ぴこ蔵
「一見するとそう見えるじゃろうが、それは違う。それはいわゆる『意外な結末』であって『どんでん返し』ではないのじゃ」

ブンコ
「え? 『意外な結末』は『どんでん返し』じゃないの?」

ぴこ蔵
「無関係ではないが、似て非なるものなのじゃ。『意外な結末』は『どんでん返し』によって引き起こされる。…というのが正しい筋道なのじゃ! 『どんでん返し』が論理の上に成り立つのに対して、 『意外な結末』は、読者に感覚的な満足や衝撃を与えるための演出効果じゃ。どんでん返しさえ決まれば、結末そのものはハッピーエンドでもアンハッピーエンドでも好きにしてくれい」

ブンコ
「う~。なんだかわかりそうでわからん!」

ぴこ蔵
「なお、どんでん返しと意外な結末、その二つが一度に起こる場合もあるぞ。その場合は『オチ』と言う。ただし、『オチ』た瞬間、物語はパキッと終わらなければならない。こりゃもうみなさんよくご存知の通りショートショートや短編でよく用いられる手法じゃな。これは古くから数々の技術が研究され、開発されておる。とてもここでは解説しきれないのでこの『意外なオチ』に関してはまた別の機会にやろう」

ブンコ
「あのー、師匠、それで『花咲かじいさん』だけどさー、この話のどんでん返しがよくわからなくなっちゃった…」

ぴこ蔵
「では最初から考えてみよう。さあ、主人公は誰じゃ?」

ブンコ
「花咲かじいさん」

ぴこ蔵
「それではその敵は誰じゃ? 」

ブンコ
「極悪じいさん」

ぴこ蔵
「さて、それでは主人公の『目的』は何じゃ? 」

ブンコ
「え? 大判小判…かな?」

ぴこ蔵
「違うな。主人公は一度も大判小判が欲しくて行動してはおらん。思い出せ。『目的』を生み出すのは『欠落』じゃ。主人公が無くした物は何じゃ?」

ブンコ
「ああ、そうか。いったん極悪じいさんに奪われたポチだね。主人公が目指したのは『ポチの奪還』。つまり目的はポチだー!」

ぴこ蔵
「その通り! ところがポチは死んでしまった。奇跡はもう起こらない。誰もがそう思ったとき、なんとびっくり! 死んだはずのポチの灰が桜を満開にしたのじゃ!」

ブンコ
「そうか! それがどんでん返しなんだね!」

ぴこ蔵
「一度失われたと思っていた不思議な力が、実はまだ失われていなかった。これが『目的』のどんでん返し・その1じゃ。死んだはずの『目的』が、実は生きていたわけじゃな」

ブンコ
「あれ? ちょっと待って、ぴこ蔵師匠! それじゃ、極悪じいさんの撒いた灰が殿様の目に入って極悪じいさんが手打ちにあっちゃうシーンは?」

ぴこ蔵
「それが『意外な結末』なのじゃ! この部分はなくてもお話は成立するのじゃが、それじゃと読んでいる人がすっきりせん。そこでどんでん返しを受けて、さらに効果を倍増させる結末を作ったわけじゃよ。というわけで、最初に紹介するのは【目的のどんでん返し・ハナサカ(TYPE09)】じゃ。

◆どんでん返し(TYPE09)ハナサカ◆
死んだと思っていた【目的】が、実は生きていた。

 

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