3匹のモンスターその1:ドラキュラ


3匹のモンスターの恐怖

ぴこ蔵
「1匹1匹のモンスターはあまり大したことはない。ただ、これが組み合わさると凄い効果を生み出すのじゃ」

ブンコ
「それにしてもさー、なんであの3匹なの? ゴジラやガメラじゃどーしていけないの?」

ぴこ蔵
「ドラキュラ、狼男、フランケン。もっと簡単に言えば、外の恐怖、内の恐怖、因果の恐怖。これこそが人間の最も基本的な恐怖だからなのじゃ」

ドラキュラとは?

ブンコ
「主人公の外部にある恐怖っていうのはなんとなく分かるよ。例えば、道を歩いていて通り魔に襲われたり、空き巣に入られたり、振り込め詐欺の電話がかかってきたりとか、誰か赤の他人から与えられる暴力への恐怖だよねー」

ぴこ蔵
「それがドラキュラじゃ。おぬしは全然悪くないのに、奴は勝手に襲いかかってくる。その行動原理はまさにハンティングである。ドラキュラは生きていくために人間を捕食する狩人であり、いわば『天敵』なのじゃ」

★外部に存在する恐怖(ドラキュラ)
※主人公の意志とは全く関係なく世の中に存在している。

怪物の中の怪物、人間の天敵・吸血鬼ドラキュラ。不死身にして増殖も可能なこのモンスターに象徴されるのは、主人公の外部に存在していて悪魔の哲学を持ち、人間を堕落させる、絶対的な悪の姿です。まさに憎まれ役としては最強だといえます。

類型:
このタイプの敵にとっては、悪事の標的が絶対に主人公でなければならないというわけではありません。敵にはまず自分勝手な動機が存在し、たまたまそれに適合する相手が主人公だったに過ぎません。一般的な敵は大部分がこれに含まれます。

世界征服を企む悪の組織や、学園を支配する恐怖の抑圧者、勝手に主人公の財産を狙う悪党や泥棒、ストーカー、通り魔、ビジネスやスポーツ、恋愛や勢力争いにおけるライバルなど。

台風などの災害もこれに含まれます。地震、雷、火事、そして究極の頑固オヤジ、星一徹なんかもこれになります。

役割:
主に「倒すための敵」としての役割が与えられます。倒すにしても倒されるにしても、このタイプの敵を相手にする場合、あまりドロドロした話にはなりません。勝てばスカッとします。

巨大な悪や災害などに立ち向かう主人公の物語を作りたいときはこのドラキュラタイプの敵を作るといいでしょう。

例えばドラクエの大ボスです。こいつを倒すことが物語の目的です。悪いのは絶対的に相手なのですから、主人公は勇気をひねりだすくらいで、特にリスクを負わずに戦うことが出来ます。

したがって、逆に、キャラやトリックの面白さで工夫しないと底の浅いB級活劇になってしまうので注意しましょう。

どんでん返しにおけるドラキュラタイプ

最初から悪として登場し、最後まで悪として倒れていく。そんなドラキュラタイプほどどんでん返しが仕掛けにくい敵はありません。単純すぎてすぐに慣れてしまい、怖くないんです。

そこでよく使われるのが、隠れているもう一人のドラキュラ。最初のドラキュラの影に潜み、もっと残虐非道で狡知に長けています。最初のドラキュラを操っている場合もしばしば。

この隠れている「本当の敵」は、主人公の仲間であったり、善良な被害者の顔をしていることが多いのです。もちろんあなたがこのタイプを選ぶ場合にもその手を使いましょう。なぜなら、そのほうが読者が驚くから。

また、最初から最後まで同じドラキュラで通す場合にはどんでん返しとして「一度死んだと思わせる」トリックを使います。

主人公が苦労してやっとのことで敵を倒します。とどめの一撃! これで死んだと思ったら…敵がカッと目を見開く、あの衝撃です。

この「とどめの一撃」に説得力があればあるほど、敵の復活がショッキングになります。そのために、早いうちから伏線を敷くのです。読者や観客がこのとどめの一撃の威力を信じ込むように。

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