モンスターがダブる場合


★「α=β型」について
α=βとは、下記のような場合をさすのじゃ。

●「ドラキュラ」だと思っていたら「ドラキュラ」だった。
●「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。
●「フランケン」だと思っていたら「フランケン」だった。

αとβが同じモンスターであるとは、どういうことか? 例を挙げてみよう。

★「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。

これをモンスターの「名前」から「特性」に置き換えてみると

☆「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

ということになる。読者の視線になって考えてみよう。

例えば

※「主人公の中の多重人格」が敵だと思っていたら本当の敵は「主人公の中のもう1つの多重人格」だった。

という「敵の正体」が明らかになったとする。しかし、これは印象的には……

※町内連続放火犯の正体は「自分の長男」だと思ったら、実は「自分の次男」だった。

……というのと変わらないではないか! 「外にいる」と思っていたのに「内側にいた」からショックがあるのである。もともと内側にいると思っていたモノが、たとえ別の存在であったとしてもやはり内側にいるのならば、あまり意外性がないのじゃ。

この「どんでん返しタイプ分けの術」の面白さは、『自分と他者というボーダーライン』を乗り越える時の哲学的な衝撃・恐怖を作り出すところにあるのじゃ。人間にとって最大の恐怖は『自我の崩壊』じゃからな。真夜中のトイレのドアを開けた時、そこに誰がいるのが一番怖いか? それは『自分』なのじゃ。うひゃ~っ!

しかし、この3つのタイプは、その手のショックとは無関係じゃ。最初から「杉花粉」のせいでアレルギーになったと思っていて、途中で「実はブタクサ花粉のせいだった」と言われたところで、あんまり意外性はないものじゃ。

花粉症には違いないのじゃからな。

人間というのは、同じ種類の衝撃にはすぐに慣れてしまうもんじゃ。従って、このタイプの場合、あの手この手のだましがどうしても必要になる。

まさか、と思われる人物を犯人にしてみたり、強固なアリバイを持たせてみたり。いわゆるトリックじゃな。

そんなわけでわしは、このトリックが必要な3タイプを同一のジャンルとみなすわけじゃ。

ところが、同一ジャンルといえども2タイプに分かれるのじゃ。それは…

◆αとβが別の人物の場合
◆αとβが同じ人物の場合

特に、後者の「αとβが同じ」場合というのはつまり、「犯人の正体が最初からわかっていて最後まで変わらない」ということじゃ。サスペンスと言うジャンルではこのように最初から敵の正体が公開されておる。

そんな不動の敵を使って、読者にあっと言わせるどんでん返しを仕掛けるためには……

「一度死んだと思わせておいて、実は生きていた」という【目的】のどんでん返しで紹介した
『花咲かじいさん』と同じ仕掛けが必要になる。

「α=β型」とは何か? 結論としてはこうなるのじゃ↓

「α=βの1型」
●敵の正体はこいつだ、と思ったら、同じような立場のあいつだった!

「α=βの2型」
●敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

これに【目的】のどんでん返し2タイプを足したものが基本の10タイプなのじゃ!!

★ぴこ山ぴこ蔵の物語創作支援メールマガジン★
このブログの記事は全て、ぴこ蔵メールマガジン『面白いストーリーの作り方』から転載したものです。メルマガでは「いかにして面白い物語を生み出すか?」をテーマに、毎月、ぴこ蔵流の実践的考察を続けています。バックナンバーは公開しておりませんし、ブログ記事になるまでにはけっこうなタイムラグがあります。すぐにお読みになりたい方は、以下より配信をお申し付けください。折り返し、最新号が届きます!

創刊2004年、愛されて好評配信中! 今すぐ無料登録!
登録はこちらから。