どんでん返しTYPE01を作ろう


TYPE01 応用例

登場人物の名前を仮に決める

※物語の舞台となる世界を作る上で名前は非常に大きな影響を及ぼす。家族や親しい友人だと却って詳しいデータに縛られて想像力が働かない。

名前と顔が一致するぐらいの関係が最も自由に想像できるようだ。

※そこでまずは「仮筋」に近所の野良猫たちの名前を当ててみた。

主人公の名前を「野良猫トラ吉」
囮の敵の名前を「ダイゴロー」
本当の敵の名前を「キナコ」にしてみた。

仮筋に名前を挿入▼▼▽

ある時、何者かによって
野良猫トラ吉のまわりから
「大切なもの」が奪われた!
失ったものを取り戻すためにトラ吉は立ち上がる。
急がなければ、タイムリミットがやってくる!
トラ吉はダイゴローを敵だと思い込んで追い詰めた。
ところがダイゴローは本当の敵ではなかったのだ!
そして、本当の敵キナコが姿を現す。
キナコは
「自分勝手な欲求」を満足させるために
大切なものを奪ったのだ。
タイムリミットは容赦なく迫る。
トラ吉はついにキナコと対決する。
そして、意外な結末を迎える。

登場人物の人間関係

名前から登場人物のキャラクタや関係を想像する。実際に近所にいる野良猫たちの関係(▼の部分)をそのまま持ち込んでみた。

▼トラ吉は野良王国の王様。
▼手下に野良猫たちを従えて今日も平和に暮らしている。
▼弟分のチビや、愛人のキナコも幸せそうだ。
▼ダイゴローは最近どこかからやって来た渡り鳥ならぬ渡り猫だ。
▼乱暴者で、王国の国民達も被害を受けていた。
▼トラ吉は大切なものを奪った犯人をダイゴローだとにらむ。

大切なもの

目的である「大切なもの」を設定するのであるが、ここからが想像力の働かせどころである。自分がイメージした物語世界へどっぷりと身を浸すこと。五感を使ってその世界を感じること。ここまでのあらすじを読んで、今はまだあなたしか知らないその世界へどんな手を使ってでも入り込むこと。そして、旅を始めよう。

野良猫の王様にとって奪われたら困る一番大切なものを「王の権威」としてみた。と言っても抽象的な概念ではつまらない。ファンタジックな感じのただよう象徴的なアイテムがよいだろう。「煮干しの王冠」とか「マタタビの首輪」とかでも良いのだが、大人が読んでも楽しめるように少し時代がかったものにしてみた。

(▼の部分)を加えてみた。
▼「大切なもの」は王様の象徴。
▼代々伝わる「烏王丸」という宝玉だった。
▼怨みと魔力のこもった宝石はおろそかに扱ってはならないとされていた。

悪の動機

ここで敵の悪事の動機となる「自分勝手な欲望」を設定するために、その引き金となる欲求を『マズローの欲求段階』から選択する。

この物語のテーマが『悪とは何か?』を徹底的に追求するのであればもっと複雑な欲望を考える必要があるが、なにしろ猫と烏の戦争の話である。シンプルでピュアな動物たちの対立を描きたかったのでここは猫らしく「生理的欲求」(▼の部分)を選んでみた。

この選択により、『目的』は『敵の生理的欲求を満たすもの』である必要が生じる。

キナコは
▼「食欲や性欲及び睡眠・排泄・空気・庇護・睡眠への欲求、
▼ 金銭欲や俗にいう物欲など、
▼ 生きる上での根源的な生理的欲求」
を満足させるために大切なものを奪ったのだ。

欲求

敵の動機となる欲求を絞り込む。欲求は「食欲」に決定。

これにより、『目的』は『食欲を満たすもの』である必要が生じる。つまり「大切なもの」には食欲に関わる魔力が秘められているのだ。この場合はホラーということで「吸血鬼」を連想した。

前半で「伏線」(▼の部分)、
後半クライマックス部分でその「謎解き」をする。(▼▼の部分)

ある時、何者かによって、野良猫トラ吉のまわりから
王様の象徴である宝玉「烏王丸」が奪われた!
▼宝物には多くの場合、ご先祖猫たちの血に濡れた伝説と、
それに見合うだけの不可思議な霊力が潜んでいるとのことだった。
▼伝説によると「烏王丸」はその昔、猫族と烏族が大戦争をしたときに
猫族が烏族を破り、当時の族長である大烏を殺し、その血を固めて作ったとされる。
怨みと魔力のこもった宝石で、おろそかに扱ってはならないとされていた。
▼▼烏王丸には邪悪な魔力が封印されていた。
▼▼もともとは一時的に空腹感を抑え怪力を与える宝玉として
重宝されていたが、実は中毒性があり、
これを長期間舐め続けると、習慣性、依存性が現れる。
▼▼そしてある日、凶暴な吸血鬼になってしまうのだ。
そして、本当の敵キナコが姿を現した。
キナコは「食欲」を満足させるために烏王丸を奪ったのだ。

クライマックスの切り札について

クライマックスで描かれるのは「問題の解決」である。主人公が敵に勝つにせよ負けるにせよ、何らかの変化が起きて問題は解決される。もちろんテーマによっては「解決されない」という解決方法もあるわけだし、主人公が納得しさえすれば、事件は未解決でも悩みや疑問は解決されている場合もある。

ただし、主人公が派手に活躍してスカッと敵をやっつけて終わる物語ならば、ここは『切り札』を使って問題を解決しなければなるまい。

問題の設定と同時に解決のための『切り札』を考えておき、それがご都合主義と避難されないように
あらかじめ綿密な伏線を敷いておくこと。

この項目に関わるワークショップの一部を動画で公開しました
「切り札を作るコツ」

結末

結末を決めるためにまずはハッピーエンドかバッドエンドかを選択する。そして、その選択に沿った『結末』を考える。

この例の場合は「怪物退治」のハッピーエンドを選択してみた。つまり、主人公が無事に敵を倒して平和を取り戻すのである。

ホラーらしいバッドエンドを選択するとしたら、敵を倒すが吸血鬼はどんどん増えていく、というのも面白いかも。

★ぴこ山ぴこ蔵の物語創作支援メールマガジン★
このブログの記事は全て、ぴこ蔵メールマガジン『面白いストーリーの作り方』から転載したものです。メルマガでは「いかにして面白い物語を生み出すか?」をテーマに、毎月、ぴこ蔵流の実践的考察を続けています。バックナンバーは公開しておりませんし、ブログ記事になるまでにはけっこうなタイムラグがあります。すぐにお読みになりたい方は、以下より配信をお申し付けください。折り返し、最新号が届きます!

創刊2004年、愛されて好評配信中! 今すぐ無料登録!
登録はこちらから。