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どんでん返し原型10タイプ

どんでん返しの原型10タイプ

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【ドラドラ】敵の正体はこいつだ、と思っていたら、実は、同じような立場のあいつだった!

【ウルドラ】敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

【フラドラ】敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

【ドラウル】敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だと思っていたら「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

【フラウル】敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

【ドラフラ】敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だと思っていたら「主人公が生み出した恐怖」だった。

【ウルフラ】敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公が生み出した恐怖」だった。

【レッドラ】敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

【ハナサカ】目的は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

【アオトリ】目的はどこか遠くにあると思っていたら実は主人公のそば(内側)にあった!

 

どんでん返しを組み立てる方法

●αが敵だと思っていたら、本当の敵はβだった。

このαとβにお好きなモンスターを代入して「どんでん返し」のパターンを作ってみましょう。

そして、モンスターの「名前」を「それぞれの特性」に置き換えてみます。すると、あなたのどんでん返しの形がはっきりしてきます。

さらに! そのパターンを自分の言葉にしてわかりやすく噛み砕いてみてください。

練習問題

●αが敵だと思っていたら、本当の敵はβだった。

例:上のαに「狼男」、βに「ドラキュラ」を代入してみる。

「狼男」が敵だと思っていたら、本当の敵は「ドラキュラ」だった。

↓↓↓↓
モンスターの名前をその特性と入れ替える
↓↓↓↓

「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

↓↓↓↓さらにかみくだくと↓↓↓

★知らない間に自分がやったのではないかと思っていたら実は、自分にそう思いこませて、敵がやっていた。

これからお主が作るストーリーにはどんでん返しが仕掛けられ、そして、これが物語の核になる。

オープニングも、伏線も、クライマックスも、キャラクターのちょっとした癖さえも。全ての世界はこの「どんでん返し」の上に構築されるのじゃ!

読者に満足感を与えるためにはこれが絶対に必要なのじゃ。さあ、おぬしの「どんでん返し」のイメージはつかめたかの?

手っ取り早くストーリーを作る上でここは非常に大切な部分なのじゃ。

上記の「原型」は記憶することはない。モンスターの使い方さえ理解できれば、いつでも自分で構築できる。

ただし、断っておくが、これがどんでん返しの全てだなどと言うつもりはないぞ。これはあくまでもわしが分類した「型」にすぎぬ。

しかし、「型」をなめてはいかん! 「型」を破って新しい物を生み出すためには「型」が使いこなせなければならん。いったん「型」にはめて、その構造を理解すればこそ、自分なりにアレンジして、応用することができるのじゃ!

この世にはきっともっと素晴らしいどんでん返しがあるはずじゃ。そして、それを生み出すのはお主である。楽しみにしておるぞ!

さて、ここからは、実際に「どんでん返し」を作ってお目にかけるのじゃ!

論より証拠と人は言う。

頭がこんがらがってなんだか小難しいようじゃが、実例を見れば「ほほ~う! こりゃ簡単じゃ~ん!」とわかってもらえるのじゃ。

そしてまた一歩、「人間自動あらすじ製造機」に近づくのじゃ!

理論ばかり語っていても退屈だと思うので、いよいよ「仮筋」を紹介するとともに具体的などんでん返しを作ってみたい。

 

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どんでん返しモンスターがダブる場合

モンスターがダブる場合

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★「α=β型」について
α=βとは、下記のような場合をさすのじゃ。

●「ドラキュラ」だと思っていたら「ドラキュラ」だった。
●「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。
●「フランケン」だと思っていたら「フランケン」だった。

αとβが同じモンスターであるとは、どういうことか? 例を挙げてみよう。

★「狼男」だと思っていたら「狼男」だった。

これをモンスターの「名前」から「特性」に置き換えてみると

☆「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

ということになる。読者の視線になって考えてみよう。

例えば

※「主人公の中の多重人格」が敵だと思っていたら本当の敵は「主人公の中のもう1つの多重人格」だった。

という「敵の正体」が明らかになったとする。しかし、これは印象的には……

※町内連続放火犯の正体は「自分の長男」だと思ったら、実は「自分の次男」だった。

……というのと変わらないではないか! 「外にいる」と思っていたのに「内側にいた」からショックがあるのである。もともと内側にいると思っていたモノが、たとえ別の存在であったとしてもやはり内側にいるのならば、あまり意外性がないのじゃ。

この「どんでん返しタイプ分けの術」の面白さは、『自分と他者というボーダーライン』を乗り越える時の哲学的な衝撃・恐怖を作り出すところにあるのじゃ。人間にとって最大の恐怖は『自我の崩壊』じゃからな。真夜中のトイレのドアを開けた時、そこに誰がいるのが一番怖いか? それは『自分』なのじゃ。うひゃ~っ!

しかし、この3つのタイプは、その手のショックとは無関係じゃ。最初から「杉花粉」のせいでアレルギーになったと思っていて、途中で「実はブタクサ花粉のせいだった」と言われたところで、あんまり意外性はないものじゃ。

花粉症には違いないのじゃからな。

人間というのは、同じ種類の衝撃にはすぐに慣れてしまうもんじゃ。従って、このタイプの場合、あの手この手のだましがどうしても必要になる。

まさか、と思われる人物を犯人にしてみたり、強固なアリバイを持たせてみたり。いわゆるトリックじゃな。

そんなわけでわしは、このトリックが必要な3タイプを同一のジャンルとみなすわけじゃ。

ところが、同一ジャンルといえども2タイプに分かれるのじゃ。それは…

◆αとβが別の人物の場合
◆αとβが同じ人物の場合

特に、後者の「αとβが同じ」場合というのはつまり、「犯人の正体が最初からわかっていて最後まで変わらない」ということじゃ。サスペンスと言うジャンルではこのように最初から敵の正体が公開されておる。

そんな不動の敵を使って、読者にあっと言わせるどんでん返しを仕掛けるためには……

「一度死んだと思わせておいて、実は生きていた」という【目的】のどんでん返しで紹介した
『花咲かじいさん』と同じ仕掛けが必要になる。

「α=β型」とは何か? 結論としてはこうなるのじゃ↓

「α=βの1型」
●敵の正体はこいつだ、と思ったら、同じような立場のあいつだった!

「α=βの2型」
●敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

これに【目的】のどんでん返し2タイプを足したものが基本の10タイプなのじゃ!!

 

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敵のどんでん返し8パターン

「敵のどんでん返し」8つの型

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モンスターの「名前」を「特性」に置き換える

次に、モンスターの「名前」の代わりにその「特性」を代入してみるとどんでん返しの各タイプの特徴がはっきりするのじゃ。

【αβの組み合わせ8パターン】

(1)「α=β型の1」

(2)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(4)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(5)「主人公が生み出した恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(6)「主人公の外部に存在する恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(7)「主人公の内部に巣食う恐怖」が敵だと思っていたら、本当の敵は「主人公が生み出した恐怖」だった。

(8)「α=β型の2」

 

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どんでん返しの作り方

3匹のモンスターの使い方

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モンスターの使い方

さて、それではいよいよ、3匹のモンスターの使い方をお教えしよう! なお、モンスターを使うのは「【敵】に仕掛けるどんでん返し」じゃ。

αとβに、3匹のモンスターを当てはめる。

基本型は「敵はαだと思っていたらβだった」

まず、このαとβに、3匹のモンスターを代入してみるのじゃ。すると3×3で9通りの組み合わせが出来る。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
2「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
3「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
4「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
6「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
7「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
8「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

しかし、よく見ると[αとβのモンスターが同じ]というタイプがあるな。

1「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
5「敵は『狼男』だと思っていたら『狼男』だった」
9「敵は『フランケン』だと思っていたら『フランケン』だった」

この3つじゃ。実はこれはまとめて2つのタイプに集約される。
その理由は後述するが、これを「α=β型」の1、2と呼ぶことにする。

整理すると、
「敵」に仕掛けるどんでん返しのタイプは
(1)「α=β型の1」
(2)「敵は『狼男』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(3)「敵は『フランケン』だと思っていたら『ドラキュラ』だった」
(4)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『狼男』だった」
(5)「敵は『フランケン』だと思っていたら『狼男』だった」
(6)「敵は『ドラキュラ』だと思っていたら『フランケン』だった」
(7)「敵は『狼男』だと思っていたら『フランケン』だった」
(8)「α=β型の2」

以上のようになるのじゃ。

 

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どんでん返しフランケンシュタイン

3匹のモンスターその3:フランケン

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フランケンシュタインとは?

ブンコ
「ドラキュラ、狼男。そこまではいい。でも、フランケンの意味がわかんない」

ぴこ蔵
「良心の恐怖フランケンシュタインというのは、実は、怪物を作った博士の名前なのじゃ。モンスター自体には名前はない。これ豆知識」

ブンコ
「良心の恐怖ってどーゆーことよ?」

ぴこ蔵
「ポイントは主人公が”悪の意志をもって”生み出した怪物というところにある。つまり、因果応報の象徴なわけじゃよ」

ブンコ
「主人公が過去に犯してしまった悪事が良心を責めるわけね」

ぴこ蔵
「わかってやっておるだけに悪質じゃ」

ブンコ
「なんだかつらいモンスターねえ」

ぴこ蔵
「テーマは復讐、あるいは贖罪。なかなか気分スッキリとはいかん物語になるぞ!」

★主人公が生み出した恐怖(フランケン)

科学者フランケンシュタインが、生命倫理を無視して、自分の研究成果を追求したあげく、死人のボディパーツから作り出した名無しのモンスター。ポイントは主人公が「悪の意志をもって」生み出した怪物だということ。自分の犯してしまった過去の過ちへの怯えが呼び起こす恐怖です。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公が生み落とした存在です。主人公の過去そのものと言ってもいいでしょう。わかりやすく言えば、自分が殺した人間の幽霊みたいなものです。もしくは、主人公と本当の敵は一種の親子関係にあるわけです。

ただし、「意識的に犯した悪事」でなければなりません。自分がはっきりと悪事を行ったことを認識していなければフランケンシュタインとはなり得ません。

役割:
主人公が過去に悪事を働いた場合、フランケンシュタインの目的はおおむね「復讐」です。
恨めしや~、なのです。怪談物には多い設定です。

「ドラキュラ」は完全に相手が悪いのです。「狼男」型は自分が悪いのですが、精神的には他人です。まだ自分が悪いという意識がないだけ気楽です。

ところが「フランケン」型は、完全に自分が悪いのです。悪いと承知で犯した悪事が原因で復讐されるのですから、自分で責任をとるしかありません。

しかも、主人公は過去からは「逃げられない」のです。それが因縁というものでしょう。そんな「フランケンシュタインの怪物」はホラーには最高のキャラクターだと言えます。

 

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どんでん返し狼男

3匹のモンスターその2:狼男

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狼男とは?

ブンコ
「狼男は『内側に潜む恐怖』だよねー。でも、誰の内側?」

ぴこ蔵
「主人公(エピソードの主役)の内側じゃ。多重人格や催眠、憑依霊、宇宙人のテレパシー、そして、主人公が組織の場合は『裏切り者』ということもある」

ブンコ
「主人公と肉体を共有するくせに人格は別で、主人公が知らない間に主人公の体を使って悪いことをするんだよねー」

ぴこ蔵
「はたから見れば『変身』するわけじゃ。満月を見ると狼にな」

★内部に潜む恐怖(狼男)
※主人公の中に潜んでいて、主人公のコントロールが及ばない。

普段は善良な人間の内側におとなしく隠れていますが、満月になると体中に剛毛を生やした残虐なモンスターに変身します。主人公の内部にいて、しかも主人公の意志では制御不能なこの怪物は人間が自分自身に対して抱く恐怖を実体化したものだと言えます。

類型:
このタイプの敵の正体は、主人公自身です。主人公と肉体を共有する存在と言ってもいいでしょう。精神的には全く別人格です。自分勝手な動機に従って行動し、主人公の生活はそのカムフラージュに過ぎません。ただし、主人公はそのことを知りません。

●サイコ、その他の精神的な錯乱状態。
●寄生虫、憑依、などの他人格による乗っ取り。
●催眠術、薬物等による他者からのコントロール。

つまり、「自分の中のもうひとりの人格」です。

これを『組織』にあてはめると、さらに広がります。主人公がある組織で、その組織を代表する登場人物が「本当の敵」の場合です。

●組織の中の裏切り者による詐欺行為。

ということになります。犯人の意外性を追及したい方にはオススメのキャラクタ―ですねえ。

この「組織の中の狼男」という設定を使った作品には『シャドー81』という不滅の名作があります。どんでん返しのところで私は本を取り落としました。

役割:
本当の敵が主人公だった場合、最後に自殺することがよくあります。「敵を倒す」ために主人公が自分の肉体を滅ぼすのです。このタイプはそういう悲劇性を含んでいます。

 

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どんでん返しドラキュラ

3匹のモンスターその1:ドラキュラ

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3匹のモンスターの恐怖

ぴこ蔵
「1匹1匹のモンスターはあまり大したことはない。ただ、これが組み合わさると凄い効果を生み出すのじゃ」

ブンコ
「それにしてもさー、なんであの3匹なの? ゴジラやガメラじゃどーしていけないの?」

ぴこ蔵
「ドラキュラ、狼男、フランケン。もっと簡単に言えば、外の恐怖、内の恐怖、因果の恐怖。これこそが人間の最も基本的な恐怖だからなのじゃ」

ドラキュラとは?

ブンコ
「主人公の外部にある恐怖っていうのはなんとなく分かるよ。例えば、道を歩いていて通り魔に襲われたり、空き巣に入られたり、振り込め詐欺の電話がかかってきたりとか、誰か赤の他人から与えられる暴力への恐怖だよねー」

ぴこ蔵
「それがドラキュラじゃ。おぬしは全然悪くないのに、奴は勝手に襲いかかってくる。その行動原理はまさにハンティングである。ドラキュラは生きていくために人間を捕食する狩人であり、いわば『天敵』なのじゃ」

★外部に存在する恐怖(ドラキュラ)
※主人公の意志とは全く関係なく世の中に存在している。

怪物の中の怪物、人間の天敵・吸血鬼ドラキュラ。不死身にして増殖も可能なこのモンスターに象徴されるのは、主人公の外部に存在していて悪魔の哲学を持ち、人間を堕落させる、絶対的な悪の姿です。まさに憎まれ役としては最強だといえます。

類型:
このタイプの敵にとっては、悪事の標的が絶対に主人公でなければならないというわけではありません。敵にはまず自分勝手な動機が存在し、たまたまそれに適合する相手が主人公だったに過ぎません。一般的な敵は大部分がこれに含まれます。

世界征服を企む悪の組織や、学園を支配する恐怖の抑圧者、勝手に主人公の財産を狙う悪党や泥棒、ストーカー、通り魔、ビジネスやスポーツ、恋愛や勢力争いにおけるライバルなど。

台風などの災害もこれに含まれます。地震、雷、火事、そして究極の頑固オヤジ、星一徹なんかもこれになります。

役割:
主に「倒すための敵」としての役割が与えられます。倒すにしても倒されるにしても、このタイプの敵を相手にする場合、あまりドロドロした話にはなりません。勝てばスカッとします。

巨大な悪や災害などに立ち向かう主人公の物語を作りたいときはこのドラキュラタイプの敵を作るといいでしょう。

例えばドラクエの大ボスです。こいつを倒すことが物語の目的です。悪いのは絶対的に相手なのですから、主人公は勇気をひねりだすくらいで、特にリスクを負わずに戦うことが出来ます。

したがって、逆に、キャラやトリックの面白さで工夫しないと底の浅いB級活劇になってしまうので注意しましょう。

どんでん返しにおけるドラキュラタイプ

最初から悪として登場し、最後まで悪として倒れていく。そんなドラキュラタイプほどどんでん返しが仕掛けにくい敵はありません。単純すぎてすぐに慣れてしまい、怖くないんです。

そこでよく使われるのが、隠れているもう一人のドラキュラ。最初のドラキュラの影に潜み、もっと残虐非道で狡知に長けています。最初のドラキュラを操っている場合もしばしば。

この隠れている「本当の敵」は、主人公の仲間であったり、善良な被害者の顔をしていることが多いのです。もちろんあなたがこのタイプを選ぶ場合にもその手を使いましょう。なぜなら、そのほうが読者が驚くから。

また、最初から最後まで同じドラキュラで通す場合にはどんでん返しとして「一度死んだと思わせる」トリックを使います。

主人公が苦労してやっとのことで敵を倒します。とどめの一撃! これで死んだと思ったら…敵がカッと目を見開く、あの衝撃です。

この「とどめの一撃」に説得力があればあるほど、敵の復活がショッキングになります。そのために、早いうちから伏線を敷くのです。読者や観客がこのとどめの一撃の威力を信じ込むように。

 

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どんでん返しを連れてくる3匹のモンスター!

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ぴこ蔵
「おぬしの物語で主人公の敵となるのは何であろうか? それは簡単に言えば「悪」の象徴なのじゃ。「悪」とは人間が戦って克服するべき対象である。また、人間にとって意義のある戦いとは「恐怖」への抵抗であり、「恐怖心」のない戦いは葛藤を生まず、ドラマとは言えぬ。したがって、ストーリーに登場する「悪」とは、主人公が戦うべき「恐怖のタイプ」と言っても過言ではないのじゃ。

「ホラーの帝王」スティーヴン・キングは、著書『死の舞踏』の中で、古今東西の物語に繰り返し現れる根源的な恐怖のタイプを3種類に分類しこう定義づけておる。

A 主人公の外部からやって来た存在
B 主人公の内部に巣食う制御不能な存在
C 主人公が行った悪事が生み出した存在

そしてキングはこの3種類を 有名な3匹のモンスターになぞらえたのじゃ。

1 主人公の外部からやって来た存在→→→ドラキュラ
2 主人公の内部に巣食う制御不能な存在→→→ジキルとハイド
3 主人公が行った悪事が生み出した存在→→→フランケンシュタインの怪物

しかし、日本人なら、この3匹を例えるならこちらのほうがしっくりくる、というキャラがおるのじゃ。そうなのじゃ。藤子不二雄「怪物くん」のお供の3匹なのじゃ。映画「ヴァン・ヘルシング」でもお馴染みじゃな。

1 主人公の外部からやって来た存在→→→ドラキュラ
2 主人公の内部に巣食う制御不能な無意識の存在→→→狼男
3 主人公が行った悪事が生み出した存在→→→フランケンシュタインの怪物

抽象的になりがちな恐怖の概念じゃがこうやってモンスターに例えておくと、すぐに思い出せて便利なのじゃ」

ブンコ
「じゃあ、もう一度確認ね」

ドラキュラ:主人公の意志とは全く関係なく世の中に存在している。
狼男:主人公の中に潜んでいて、主人公のコントロールが効かない。
フランケン:主人公が意識的に犯した悪事が原因で生まれてきた。

ぴこ蔵
「たった3種類じゃが、世界3大モンスターをなめてはいかん。全ての恐怖はこのどれかにあてはまるのじゃ! ではこの3つの悪をもう少し詳細に見ていこう」

 

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【敵】は「悪者」ばかりとは限らない

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どんでん返しはモンスターで作れ

ぴこ蔵
「どんでん返しの基本構造『敵の正体はαだと思っていたら、βだった』

このαとβに当てはめるモンスターさえ決めれば、お主のストーリーはもう半分以上完成したようなものなのである。そして、この「敵(αおよびβ)」は先ほど言ったとおり、わずか3種類にすぎないのじゃ!」

3匹のモンスター

ぴこ蔵
「ところでブンコちゃんよ。お主の物語で主人公の敵役となるのは何者じゃ?」

ブンコ
「そりゃ悪い奴に決まってますよ! だってあたしの主人公は正義の味方だもん。敵は悪くて卑劣で恐いヤツ! 顔なんか鬼みたいでさー」

ぴこ蔵
「典型的な勧善懲悪パターンじゃのう。勧善懲悪は強烈な対立構造を持っておるからストーリー作りには使いやすいのじゃがそれだけではすぐに行き詰まるぞ」

ブンコ
「え~っ? だって、敵役は悪人でなきゃダメでしょ?」

ぴこ蔵
「『敵役』とは人間が戦って克服するべき対象である。ただし、克服するべきは「悪」ではないぞ。人間が克服すべきは自らの恐怖心なのじゃ! 例えばお主がスポーツ根性ドラマを書いたとする。

主人公は高校生ボクサー。敵役は先輩プロボクサーじゃ。二人は宿命のライバルである。しかし、先輩ボクサーは「悪」と言えるか?」

ブンコ
「あ。そっかー。敵といっても悪とは限らないか」

ぴこ蔵
「でも、そいつは強くて恐ろしい」

ブンコ
「そりゃーそうですよ。弱くて泣き虫で怖くなけりゃ敵にならないもん」

ぴこ蔵
「そういうこと。充分恐いからこそ敵役として認められる。つまり、人間にとって意義のある戦いとは『恐怖』への抵抗のことなのじゃ。

『恐怖心』のない戦いは葛藤を生まず、ドラマとは言えん。したがって、ストーリーに登場する「敵」とは、主人公が戦うべき『恐怖の象徴』と言ってもええじゃろう」

ブンコ
「敵の本質は『悪』というよりも『恐怖』なのか…」

ぴこ蔵
「そこで3匹のモンスターの登場じゃ!」


ここまでのまとめ

★どんでん返しのある面白いストーリーの基本型は全10タイプ。

目的タイプその1 (どんでん返しTYPE09・ハナサカ

邪魔する【敵】と戦いながら【目的】を追う主人公。
その途中、いったんは死んだと思ったその【目的】だったが、実は生きていたのである。

目的タイプその2 (どんでん返しTYPE10・アオトリ)

邪魔する【敵】と戦いながら【目的】を追う主人公。
その【目的】はどこか遠く(自分の外部)にあると思っていたら、実は、すぐ近く(自分の内部)にあった。

そして……

敵タイプ1~8

【目的】を追う主人公がそれを邪魔する【敵】と戦う。
しかし、αだとばかり思っていたその【敵】の正体は、実はβだったのである。

※そのαとβに
恐怖の象徴である3匹のモンスターを当てはめることにより、8タイプの「敵に仕掛けるどんでん返し」が自動的に出来る。

そして、ここからがぴこ蔵オリジナル「3匹のモンスター理論」なのじゃ!

 

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敵のどんでん返し

【敵】のどんでん返し

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【敵】の「どんでん返し」を生み出す3匹のモンスター!

ぴこ蔵
「それではどんでん返しを仕掛ける方法を具体的に説明しよう!」

どんでん返しの構造は【敵の正体はAだと思っていたら、Bだった】

これをひっくり返して作者側から見れば【敵はAだと思わせておいて、最後にBであることをバラす】

この時のA、Bの役割は A=囮の敵(偽敵) B=本当の敵(本敵)

とも言えるのじゃ。

ここでのポイントは「A」と「B」が全く別の登場人物であること。時々、勘違いをして「A」と「B」を一人の人物で間に合わせてしまうことがあるが、これは混乱のもとになるので絶対にやってはいけない。

AからBへ。囮が退場し本物が登場する。意外な敵の正体が明らかになる。その瞬間こそが「どんでん返し」である。つまり、読者はAを「敵」だと誤解して読み進み、どんでん返しで「本当の敵」はBだったと知らされるわけじゃな。でも、これが効くのである。こんなに簡単な設定をするだけで、読者は驚いてくれるのじゃ。さらに言えば、

『敵』のどんでん返しの作り方の第1歩は

【AとBに、3匹のモンスターを当てはめる】

ことから始まるのじゃ!

 

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